今回の旅は、最初から計画されていたものではなかった。
正月、妻の実家で「杵築(きつき)へ行ってみたい」と何気なく口にした一言が、「臼杵(うすき)」と聞き間違えられたことから始まった、いつもの無計画旅行である。
ところが、その小さな勘違いは、思いもよらぬ大分との出会いへと導いてくれた。

国宝・臼杵石仏、岡城跡、竹田湧水群、白水ダム、白水の滝、原尻の滝――。
旅を続けるうちに、それぞれが独立した景色ではなく、すべてが阿蘇山の大噴火によって生まれた大地と、その大地から湧き出す水によって結ばれていることが少しずつ見えてきた。
石が大地をつくり、水が命を育てる。
そんな大分の姿を知ることができた、1日半の旅である。

Day1|予定外の南へ――千年の石仏と、不思議な温泉との出会い
旅は、行き先の勘違いから始まった。
サービスエリアで偶然手にした竹田のパンフレットに導かれ、臼杵から竹田へ向かうことを決意。
最初に訪れた国宝・臼杵石仏では、千年の時を超えて残る石仏群と、極楽浄土を表現したとされる空間に静かな時間が流れていた。
さらに無料の中九州自動車道に助けられながら竹田へ向かい、旅の締めくくりは長湯温泉の「ラムネ温泉」。
天然炭酸泉の細かな泡に全身が包まれるという、これまで経験したことのない不思議な温泉との出会いが待っていた。
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Day2|阿蘇が育んだ石と水――竹田から見えてきた大分の姿
二日目は岡城跡から始まった。
阿蘇溶結凝灰岩の断崖に築かれた壮大な石垣は、日本の城というより、海外遺跡を歩いているような圧倒的な存在感を放っていた。
その後は、竹田湧水群、明正井路一号橋、白水ダム、音無井路十二号円形分水、白水の滝、そして原尻の滝へ。
名水、石橋、ダム、滝、水路を巡るうちに、阿蘇山の巨大噴火が生み出した地形と、そこから湧き出す水が、大分の自然や暮らしを形づくってきたことが一本の線となってつながっていく。
旅の最後は再び竹田へ戻り、温泉に浸かりながら、この1日半で巡った景色を思い返す。
そして心に浮かんだ言葉は、ただ一つ。
「大分は石と水の国。」
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